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岩井 保則; 林 巧; 山西 敏彦; 小林 和容; 西 正孝
Journal of Nuclear Science and Technology, 38(1), p.63 - 75, 2001/01
トリチウム工学研究室では核融合炉の安全性を確証するとともに向上させる一環として、万一トリチウム漏洩事象が起こった場合のトリチウム挙動を評価するため12mの大型密閉容器(ケーソン)からなるトリチウム安全性試験装置(略称CATS)を設置した。本研究の主な目的の1つは、換気されている室内中においてトリチウム漏洩事象が起こった場合のトリチウム挙動を予測するシミュレーション手法を確立することである。乱流モデルにRNGモデルを採用した結果、50m/hで換気されているケーソン内の乱流を精度よく評価できることがわかった。また換気下におけるケーソン内計画放出後の初期及び除去時のトリチウム濃度履歴の解析結果は実験結果と精度良く一致した。他方、日米協力の下で3000mの室内に計画放出したトリチウムの挙動についても実験結果と本手法を用いた解析の結果が精度良く一致し、実空間規模の室内にも適用できることを確認した。
林 巧; 小林 和容; 岩井 保則; 山田 正行; 鈴木 卓美; 大平 茂; 中村 博文; 舒 衛民; 山西 敏彦; 河村 繕範; et al.
Fusion Engineering and Design, 51-52(Part.B), p.543 - 548, 2000/11
被引用回数:19 パーセンタイル:74.76(Nuclear Science & Technology)DT核融合炉におけるトリチウムの閉じ込め性能を確証するため、原研・TPL地下にケーソンと呼ぶ12mのステンレス鋼製気密容器(炉室空間等の模擬)を設置し、その容器内への計画的トリチウム放出実験を開始した。初期の実験では、トリチウム除去設備による50m/hの定常循環換気条件下(dry N)に260MBqの純トリチウムガスを計画放出し、その空間拡散混合挙動、除染及び残留表面汚染等を調べた。ケーソン内に放出されたトリチウムは、換気流れにより約3分で均一になり、約2時間でモニターの検出限界以下の濃度に除去された。表面汚染はスミア法でその後も検出されたが、約1日で消失した。実験結果は、十分な再現性があり、三次元流体解析コード(FLOW3D)の適用・改良によりほぼ表現できるに至った。